非加熱操作と加熱操作の違いと具体例をわかりやすく解説1 非加熱操作
- 山野熊さん
- 3 日前
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更新日:21 時間前

非加熱操作とは?
非加熱操作とは、食材を火を通さずに調理・加工する工程のことです。調理の下準備や、味や食感、栄養を調整するための大切な工程です。
⑴ 洗浄:食材の基本ケア
i. 野菜の洗浄
泥や農薬などの汚れを落とすために行います。葉物は流水でやさしく、根菜はブラシを使うなど、食材に応じた方法で丁寧に洗います。
ii. 海産物の洗浄(例:あさりの砂吐き)
貝類は塩水(海水程度の3%)に浸け、暗所に置いて砂を吐かせます。下処理としてとても重要です。
⑵ 浸漬:味や食感を調整する工程
● 概念
「浸漬(しんせき)」とは、食材を液体に浸すことで水分を吸わせたり、味をしみこませたりする操作です。
● 浸漬表(目的・例・使用液)
食材 | 目的 | 浸漬液の例 |
乾物(昆布、ひじき) | 吸水・戻し | 水、ぬるま湯 |
野菜(白菜、大根) | 塩もみ・水分調整 | 塩水、酢水 |
魚介類(刺身用) | 臭み取り・味付け | 昆布締め、酢締め |
肉(鶏むねなど) | 柔らかさ・風味付け | ブライン液、味噌床 |
⑶ 切砕:形を整え、調理しやすくする
● 目的と作用
包丁やスライサーを使って、食材を切ったり刻んだりします。大きさや形を揃えることで、火の通りや味のなじみが均一になります。
⑷ 粉砕・摩砕(すりつぶし):口当たりや機能性アップ
● 目的
食材を細かく砕くことで、吸収をよくしたり、滑らかさを出すなどの効果があります。
● 調理例
操作 | 具体例 | 使用目的 |
粉砕 | 米を粉にする(上新粉) | 団子や和菓子作り |
摩砕 | ごまをすり鉢でする | 香りを引き立てる |
摩砕 | 長芋をすりおろす | とろろ汁、和え物 |
⑸ 混合・混ねつ・撹拌(かくはん)
● 目的
複数の材料を均一に混ぜて、味・食感・色を調整します。
● 操作・例
操作 | 具体例 | ポイント |
混合 | ドレッシングの材料を混ぜる | 油と酢を乳化させる |
混ねつ | ハンバーグのたね作り | 粘り気を出す |
撹拌 | メレンゲ作り | 空気を含ませる |
⑹ 圧搾・ろ過・成型
● 圧搾
豆乳をしぼるときなどに行う操作。水分を抜いて、成分を濃縮します。
● ろ過
だしのカスを取り除く際などに使用。液体を澄ませる目的です。
● 成型
食材の形を整える操作です。ハンバーグの丸めや寿司の握りなどが例です。
⑺ 冷却・凍結・解凍:保存と食感の調整
● 冷却・凍結
食品の腐敗を防ぎ、保存性を高めます。冷凍では、細胞の破壊を防ぐために急速冷凍が理想的です。
● 解凍の種類と特徴
方法 | 特徴 |
緩慢低温解凍 | 冷蔵庫で時間をかけて解凍。ドリップが少ない |
急速解凍 | 電子レンジなどで短時間に解凍。時短には便利 |
常温解凍 | 室温で解凍。微生物の繁殖に注意が必要 |
半解凍 | 包丁で切りやすい状態。刺身や肉スライスに◎ |
まとめ|非加熱操作は「調理の土台」
非加熱操作は、料理の味や見た目、栄養価を左右する大切なステップです。加熱操作と違い、食材本来の性質を活かすことが求められます。毎日の調理でも意識することで、よりおいしく、美しく、安全な料理が作れますよ。
よくある質問(FAQ)
Q1. 非加熱操作で一番重要な工程は?
→「洗浄」です。汚れや雑菌を落とすことで、食中毒予防につながります。
Q2. 浸漬ってどんなときに使う?
→ 乾物の戻しや野菜の塩もみ、肉の下味付けなど、さまざまな場面で使います。
店舗向けアドバイス|飲食店なら「見せる下処理」で安心感UP!
飲食店では、厨房の衛生管理や食材の下ごしらえが信頼につながります。非加熱操作を見える化して、「手間をかけている感」を伝えると、顧客の満足度が高まります。
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