ラーメンの科学:かんすいと小麦粉の黄金比率と変色の理由
- 山野熊さん
- 6月9日
- 読了時間: 4分
更新日:6月15日

はじめに
「本格的なラーメンを自宅で作りたい!」という熱いラーメン愛好家に向けて、この記事では製麺に不可欠な "かんすい" の役割、小麦粉との比率、そして麺が緑色に変色してしまう原因を科学的に解説します。
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かんすいとは?
"かんすい" とは、ラーメンの麺に独特のコシと風味、そして黄色みをもたらすアルカリ性の水溶液です。一般的には以下の成分で構成されます:
炭酸ナトリウム(Na2CO3)
炭酸カリウム(K2CO3)
市販では粉末状のかんすいが入手可能で、水に溶かして使用します。
小麦粉とかんすいの理想的な比率
かんすいの濃度は、麺の食感・色・風味に大きな影響を与えます。一般的な配合の目安は以下の通りです。
コントロール表
小麦粉の量 | 粉末かんすいの量 | 濃度 (%) | 麺の特徴 |
100g | 0.5g | 0.5% | やや柔らか、クセ少なめ |
100g | 1.0g | 1.0% | 標準的な中華麺の風味 |
100g | 1.5g | 1.5% | 強いコシ、香り際立つ |
※加水率(加える水の量)は、30〜35%が一般的です。
◎アルミ鍋で煮沸すると麺が緑色になる理由
原因は「アルミニウムの溶出」
かんすい(特に炭酸ナトリウム)をアルミ鍋で煮沸すると、強アルカリ性によりアルミが溶け出します。このアルミニウムが小麦粉中の成分と反応して、緑色〜灰緑色に変色するのです。
化学反応の概要
2 Al + 2 NaOH + 6 H2O → 2 Na[Al(OH)4] + 3 H2↑
この反応により、アルミン酸ナトリウムという化合物が生成され、これが麺の色に影響を与える可能性があります。
◎安全な調理法と道具
かんすいを使用する際の注意点:
アルミ鍋は使用しない → ステンレス、ホーロー、耐熱ガラス鍋が最適
かんすいは適量を守る → 入れすぎると苦味や変色、食感の異常が出やすい
水に溶かしてから使う → 粉末を直接小麦粉に混ぜないこと
★ラーメンの麺の作り方実践 【粉末かんすい使用】
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材料(約2人前)
材料 | 分量 | 補足 |
強力粉 100~70% 薄力粉10~30% 全粒粉5~10% すべての合計が100% | 200g | 中華麺らしい歯ごたえに 粉の配合で色々な風味が生まれる。 |
水 | 200×□% | 製麺機加水率 35〜37.5% パスタマシン 45% 麵棒で頑張るなら47% |
粉末かんすい | 0.5%~1.5% | 濃度1.0%(目安) |
塩 | 0.5~1%好みで | 味の調整・保存性向上 |
必要な道具
ボウル(ステンレスかプラスチック)
計量器・スケール
めん棒 パスタマシン(電動推奨)安価なパスタマシンはすぐ壊れます。
包丁(または製麺機)
ラップ・ポリ袋
作り方ステップ
① かんすい水を作る
計量した水に粉末かんすいを溶かします。
よくかき混ぜ、かんすい水を作ります。
💡 アルミ鍋では煮沸しないよう注意!変色の原因になります。
② 小麦粉にかんすい水を加える
ボウルに強力粉を入れます。好みで全粒粉を加えると小麦の風味が一段と強くなります。
かんすい水を3〜4回に分けて加えながら混ぜ、ポロポロのそぼろ状にします。
💡 ダマにならないように、少しずつ加えるのがコツ!
③ こねてまとめる
手で圧をかけながらひとまとまりにします。
生地を袋やラップに入れて、足で踏む or 麺台でこねるを5分繰り返します。
表面がなめらかになったらOK。
④ 寝かせる(熟成)
ラップまたは袋に入れて、常温で1〜2時間ほど寝かせます。
熟成でグルテン構造が安定し、コシが生まれます。 ※③-2から④-1までの工程を数回繰り返す。パスタマシンの場合はこのままパスタマシンで圧伸作業をするので省略
⑤ のばして切る
麺棒やパスタマシンで厚さ1.5〜2mmにのばします。
折りたたんで再び伸ばし、圧伸します。これを数回繰り返す事でさらに腰が強くなります。パスタマシンの導入をお勧めします。
好みの太さに包丁またはカッターで切ります。
⑥ 打ち粉をしてほぐす
片栗粉または打ち粉を全体にふって麺同士がくっつかないようにします。
しっかり空気を通してから保存袋へ。
⑦ 茹でる
沸騰したお湯に塩を入れて、1分〜1分30秒ほど茹でます(太さによる)。
すぐ冷水で締めると食感が引き締まり、美味しくなります。
◎まとめ:科学的に美味しいラーメンを
ラーメンの麺作りには、「かんすい」と「小麦粉」のバランスが極めて重要です。粉末かんすいは0.5〜1.5%の範囲で調整し、必ず非アルミ製の鍋で調理することで、風味豊かで美しい中華麺が作れます。
この科学的な知識を活かして、ぜひ自宅でもプロ顔負けのラーメン作りにチャレンジしてみてください!
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