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【当店の実践例】殺菌・滅菌・保存――徹底管理で守る“安心と品質”

  • 執筆者の写真: 山野熊さん
    山野熊さん
  • 6月7日
  • 読了時間: 4分

更新日:6月15日

殺菌と滅菌
殺菌と滅菌

前回の記事では、食品ごとの殺菌・滅菌、保存方法について体系的に解説しました。今回は、当店(調技研)が日々どのような衛生管理とリスクマネジメントを実践しているか、具体的な作業内容を通じてご紹介いたします。

■ 手指の洗浄と消毒|“見えない接触”こそ徹底管理

食品衛生において、最も軽視されやすく、かつ最もリスクが高いのが手指の管理です。調技研では以下のように、作業別・状況別に手洗いと手指消毒を使い分けています。

出勤時の初動管理

  • 出勤時、まず弱性洗剤を使用して20秒間のブラッシング洗浄

  • 必要に応じて手袋を装着(アレルギーや手荒れ等の個人差に応じて対応)

※手袋の有無に関係なく、下記の手順を全員が実施

作業中の手指処理

  • 作業の都度、水洗いを徹底(特に野菜処理や盛り付け時)

  • 魚や肉を扱う場合は、アルカリ性の手指洗浄剤を使用しタンパク汚れを分解

  • 手袋未装着者については、アルカリ洗浄後に酸で中和処理を行い、肌とpHバランスを保つ

→ これにより、汚れ・菌・pHリスクを段階的に除去するプロセスが完成します。

洗浄後は「拭かない」という選択

洗浄後に手を拭くことは、再汚染リスクを伴う行為です。そのため当店では、調理作業に復帰する際、手洗い後は拭き取らず自然乾燥または濡れた状態で作業再開を基本としています。

  • 調理作業中:洗った手はそのまま(拭かない)で次の工程へ

  • 接客・料理提供時:水分除去が必要な場合のみ、ペーパータオルや個別管理された手拭きタオルで軽く拭き取り

なぜ「拭かない」のか?

  • ペーパータオルは一見清潔ですが、保管環境によっては空気中の菌が付着することもあります。

  • 一方で、布製の手拭きタオルは非常に不衛生になりやすく、雑菌の温床になることが多いです。

拭かない、乾かさない、という選択は「最も再汚染リスクが少ない方法」として、科学的・実務的に裏付けられています。

■ キッチン全般|“始まり”と“合間”を徹底管理

当店では、食材加工を始める前のスタート時点と、調理中の接触ポイントの再衛生に最大限の注意を払っています。

項目

実施内容

機材類

使用前に強アルカリ洗剤で洗浄後、食品用アルコールで表面除菌。菌の増殖リスクを作業前にカット。

作業台

調理中でも汚染リスクを抑えるため、まな板洗浄の都度アルコールで拭き取り。クロスコンタミ防止を徹底。

■ まな板|食材ごとの衛生ゾーニング

まな板は、交差汚染を最も起こしやすいリスクポイントの一つ。当店では以下のような2段階管理を導入しています。

  • 一度の使用ごとにアルカリ系洗剤で洗浄

  • 業務終了時には10%次亜塩素酸水にて浸潤殺菌

→ 時間管理と洗浄記録をつけることで、ルーチン作業に対する慣れによる漏れを防いでいます。

■ キッチンダスタ|“使い捨て”よりも“管理型清潔”

キッチンダスタも潜在的な細菌の移動源。以下のようなステップで常時衛生状態をキープしています。

  • 一作業中でも、使用のたびに50℃のぬるま湯ですすぎ洗い

  • 業務終了後は次亜塩素酸水で洗浄→仕上げすすぎ

  • 次の使用まで、清潔なバットの上で乾燥・保管

→ 「繰り返し使う布」こそ、意識的に洗浄・保管する姿勢が問われます。

■ 菜箸・トング類|“接触時間は短くとも、殺菌は確実に”

食品に一瞬でも触れる調理器具は、すべて強アルカリ性洗剤で洗浄しています。

→ 見た目の汚れがなくても、タンパク質や油脂の残留を前提に対処。器具の材質ごとに洗浄時間も管理。

■ 野菜の処理|温度・pH・鮮度のトリプル制御

葉物や根菜は、以下の工程で酸化・変色・菌増殖の抑制を図っています。

  1. 水道水で予備洗浄

  2. 50℃温水にアスコルビン酸(ビタミンC)を加えてpH調整洗浄

  3. 洗浄後は5℃で冷蔵保存

→ 酸性処理により雑菌の活性を抑えつつ、ビタミンCによって色と風味の保持も同時達成

■ 魚の処理|ムチン除去と表面殺菌の二段階アプローチ

鮮魚には表面粘液(ムチン)と内臓由来の細菌リスクが存在します。当店では:

  1. 入荷後、塩もみ処理→次亜塩素酸水で殺菌洗浄

  2. クエン酸で表面pHを調整し、ムチン・臭みを除去

  3. 鮮魚加工後は1%重曹水で洗浄し、真空+氷温で保存

→ 魚介特有の臭気や変質リスクを物理+化学の両面から制御しています。

■ 肉の処理|“洗う”+“熟成”の品質管理プロセス

食肉は内部汚染リスクが少ないため、表面衛生の徹底と熟成管理が鍵です。

  • 入荷後は湯洗処理(血液・脂肪除去)

  • 加工後には塩析(タンパク分離)を行い、

  • その後、氷温熟成(-1℃〜0℃)で保管

→ 雑菌の増殖を防ぎつつ、旨味成分を最大化させる熟成工程を兼ねるのが特徴です。

■ まとめ|調理現場は“科学と習慣”で守られる

衛生管理や保存技術は「一つひとつの作業」に分解されますが、それらは一連のリスクマネジメントの鎖として機能しています。

調技研では、こうした管理をアルバイトに対しても徹底的に習慣化しています。

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